MT4はFXのみならず、CFD業者にも広範に利用されているシェアウエアです。
EAと呼ばれるソフトウエアには直接的に売買ロジックを動かすものから、インジケーターとしてシグナルだけを配信するものまで、かなり多様な仕組みが揃っています。
さらにその中で非常に注目されるのが「コピートレード」のできるソフトウエアが出回っているのです。
簡単にご説明するとAとBという二つのMT4口座があった場合に、Aでトレーダーが裁量取引をした動きを配信し、BのEAがリアルタイムでデータ受信をすることにより、元のトレーダーと同じ売買をすることが可能になるというものです。
これがあれば、FXの達人のトレードをそっくりそのまま真似することも可能になるのです。
とはいうものの、物理的に異なるサーバーベースで取引し、しかもスプレッドも異なる業者間でコピートレードを行った場合には、同じトレードをするまでの過程で様々な時間の遅れが発生することがあります。
結果、必ずしもコピー先のトレードのパフォーマンスが上がらないという問題もあることから、闇雲にはコピートレードを実現できないのが現実の状況になっているのです。
またどこの馬の骨かわからない「自称達人」のトレードをいきなり真似てみるというのもまた猛烈なリスクになりますから、簡単に初めて見る気にはなれないものでもあります。
自分の2つのアカウントでコピートレードを試してみた
XMでは一人で「8つのアカウント」を持つことができますが、自分のトレードを別のアカウントでコピートレードするといった使い方は業者がもっとも嫌がるものです。
なので、今回全く別の業者の2つのアカウントでコピートレードを試してみることにしてみました。
人のコピートレードは恐ろしいですが、自分のトレードのコピーなら儲けも損失も倍になるだけですから一応のリスクは最初からわかるので、まずは自分で自分のコピートレードを試してみたという次第です。
最初に考えておかなくてはならないので「レバレッジの問題」で異なるレバレッジで売買する場合には、ドローダウンを想定して応分の証拠金を調整しなくてはなりません。
今回の実験的なコピートレードでは1000倍のレバレッジアカウントでリアル取引をしてみて、そのデータを888倍のXMのアカウントでコピーをしてみるというやり方にしました。
証拠金は若干XMの方が多めに入金してある状態からのスタートとなりました。
スキャルピングはパフォーマンスダウン
まず自分が日常的にやっている「スキャルピング」がどのぐらい再現性のあるものなのか試してみました。
東京タイム、ドル円で比較的利益を出しやすい環境でロンドン勢が入ってくるまでという限定的な時間での実験です。
元の裁量トレードでは5~10日の仲値ということもあり、朝からトレードして夕方の3時過ぎぐらいまででほぼ15回程度、利益にして「80pips程度」を確保することができました。
しかしそれをコピーしたXMのアカウントでは同様に15回のトレードをコピーして、確保できた利益は「40pips強」というかなり残念な結果になってしまいました。
裁量取引の手法は「5pips程度でもどんどん利確する」という、いつもながらのスキャルピング手法でした。
しかし、コピーする側のアカウントは元のアカウントとはスプレッドも違いますし、そもそもかなり微妙なエントリーポイントで入って、売り買いしていくことになります。
コピー先では売買回数は同じになりますが、利益はなんと半分ほどしか稼げないという・・かなり厳しいものになってしまったのです。
実はこうしたトレードではEAに「フィルターを設定」して特定の条件の場合にはトレードしないとか、特定条件ではロット数を変更するといったこともできます。
しかし、さすがに最初にはこうした微調整をするのも難しく結果的にそのまま利用して利益半減となってしまいました。
デイトレでは85%以上の成果!
さらにスキャルピングは諦め、デイトレとしてもう少し長い時間取引をしてみることにも挑戦してみました。
これは同じくドル円で東京からロンドン、ニューヨークタイムまでの時間帯として、「London Fix」あたりで、できるだけ利益確定できるようなスタイルでした。
こちらではポジションは意外に少なく6本程度、元々の裁量トレードは「130pips程」の利益を得ることができました。
1トレードあたりを平均すると「21pips」ちょっとの利益を獲得したわけですが、コピー先の利益はといいますと「110pips程」が確保でき、明らかにスキャルピングよりも精度の高い売買になったのです。
「コピー元」と「コピー先」のアカウントのスプレッドも異なりますし、システム的な遅延を考えると85%の利益確保ができたのは上出来でしょう。
こうなると、個人的にイメージしていた、コピートレードのレベルよりもかなり使えるというのが正直な感想です。
ただ、誰のトレードをコピーするか、またさらにスプレッドの大きな通貨ペアなどで本当に再現性があるのかといった問題はまだまだ研究余地がありそうです。
今回の実験の結論を言いますと、物理的な側面としてのコピートレードは「面白い」「可能性あり」というのが今回の「答え」となった次第です。皆様の参考になれば幸いです。