XMは一つ口座を開設すると、追加で7つ、合計8つの口座を持つことが可能になります。
最初はたいした意味をもつとは思えないのですが、実はこれは使い始めてから便利なサービスだということがわかるようになるのです。
今回はこのサービスを利用して、異なる通貨ペアを別口座ごとに売買することをご紹介してまいります。
通貨ペアごとに何が起こるかわからない世の中
ひとつの口座で複数の通貨ペアを取引してもなんら問題はないと思われる方も多いかと思いますが、実はハイレバレッジ環境というのはいつ取引条件が変更になるかわからない不透明な部分があるものなのです。
たとえばユーロドルでいいますと「BREXIT」「フランスの大統領選挙」などイベントがあるごとにXMではレバレッジを888倍から50倍に一時的に減額するといった措置をとっていますから、保有しすぎたポジションは落とさないと自動的にロスカットになってしまうこともあるのです。
これを別々の口座で管理している場合には、仮にゼロカットシステムが働いて強制ロスカットになるようなことが起きても他の口座の通貨ペアは守られることになるので、かなり安全な方法になるということができます。
また通貨ペアごとの損益をしっかり管理することもできるので、予想以上役に立つ仕組みということができます。
トルコリラなどの新興国通貨の取り扱いでも便利
今回のトルコリラの通貨危機問題では、XMは一切レバレッジを下げるという措置をとっていませんし、取引停止などの措置も出ませんでした。
XMの場合ドルトルコリラ、ユーロトルコリラの取引が888倍のレバレッジ環境で可能になっていますが、どうもトルコリラのスワップ狙いに熱心なのは日本の個人投資家だけのようです。
世界的にはそれほどトルコリラをロングしてスワップをとろうという投資家は存在しないのかも知れません。
とくにXMのハイレバレッジ環境ではスワップに注目するトレーダーが少ないともいえそうですが、仮にこうした新興国通貨に異変があり、いきなりレバレッジが下がることになった場合でも、その通貨ペアだけで強制ロスカットが働くことになります。
トータルの原資に影響を与えることがないのも、こうした口座を分けて取引していく妙味となります。
ハイレバ環境では投入原資自体をロスカットの上限とできる
過少な資金で大きな売買ができる「888倍のレバレッジ環境」で取引をする場合、もちろん個別のポジションにロスカットをしっかり入れていくということも重要です。
もともとの原資がそれほど多いわけではありませんから、たとえば5万円で特定の通貨ペアの売買を行う場合には、その原資自体がゼロカットシステムでなくなったらお仕舞いといった形で「損失管理」をしていくことも可能になります。
たとえば既出のトルコリラでいいますと、ユーロトルコリラは888倍なら1000通貨単位でたった143.13円の証拠金で売買ができることになります。
1万通貨ショートしてもたった1431円ほどですから、相当少ない資金で売買が可能になるわけです。
この1万通貨のユーロトルコリラをショートして一晩でもらえるスワップは足元では356.89円となります。
たとえば1万円だけ口座原資として投入してとれるところはスワップで稼ぎ、もし暴落したら1万円を上限とする「ゼロカットシステム」の利用で損失を限定するといったやり方も十分に考えられることになるのです。
もちろん、最初から損失を食らうために取引する人はいないわけです。
エントリーのタイミングといったものはよく考える必要がありますが、個別に専用口座を開設すれば同じ証拠金総額を分別して管理することも可能になり、想像以上に多角的な売買を楽しむことが可能になるのです。
とにかくFXの場合、最大の戦略は「いかにして証拠金を減らさないか」の一語に尽きる部分があります。
相場の先行きは「上がるか下がるか」は正確にはだれにも予測ができないものです。ある意味個人投資家が自分で管理できるのは「損失についてだけ」といっても過言ではありません。
つねに投入した証拠金を無闇に減らさないことが必要になりますし、万が一の損失が出たときに上限どこまでなら我慢ができるのかの限界値をしっかり事前に決めておくことも必要になるのです。
証拠金総額で管理していくやり方ももちろんありますが、個別の通貨ペアごとに投入資金を厳選して、管理していくというやり方はかなりスマートなものになるといえます。
もともと「ハイレバレッジ」というのは多額の資金は持ち合わせないものの、うまいタイミングを利用して少額で資金を大きくしていくために有効利用できる口座ということができます。
なので、通貨ペア別に証拠金を割り振って厳密に管理していくという手法との親和性はきわめて良好なものになるのです。
あらゆるリスクに備えるためにも、XMのこのサービスをいかにうまく使いこなすかがハイレバ取引では重要なものになりそうです。