2017年は仮想通貨元年と言われ、投資家の間では「億り人」という言葉が流行しました。
仮想通貨への投資で億単位の利益を上げた人「億り人」は実際に500人以上いるとも言われており、5億円以上の利益を上げた「億り人」も100人ほどいたようです。
「億り人」の出現とともに、さまざまなメディアで「仮想通貨」や「ビットコイン」が話題として取り上げられることになり、たくさんの方が仮想通貨取引を始めたと言われています。
そのように盛り上がった一方で、2018年1月に起こった「コインチェックの不正流出問題」では、仮想通貨への信頼が一気に失墜することとなりました。
この事件以降、国内の仮想通貨取引所でも利用者の出金が相次ぎました。
出金してそのまま取引自体を一切止めてしまった方もかなりいるのでしょう。取引量は全盛期の四分の一になったと言われています。終わって見れば年末の暴騰は「バブル」だったというわけです。
XMでは、ビットコインをはじめとした「5種類」の仮想通貨ペアの取り扱いがありましたが、2018年8月現在、取引が全て停止となっています。
XMホームページの説明によると「信頼性の高いリクイディティープロバイダーの存在に欠けるため」というのがその理由です。
顧客からの注文を受けて取引を仲介するXMが、その注文を流す先を十分に確保できないということですね。
仮想通貨取引に興味を持って始めてみたい方には、日本人投資家に評判のよいXMの環境で取引をしたいと考える方も多いようです。
一日も早い取引再開が望まれているようではありますが、一度失墜した業界全体の信頼が戻り、環境が整うまでにはもう少し時間がかかりそうですね。
コインチェックの事件後は、明らかに仮想通貨の話題は少なくなってきているわよね。
■目次
2017年は仮想通貨元年。ビットコインの価値は1年間で約30倍に!
2017年中は、仮想通貨がさまざまなメディアで取り上げられ、取引環境を提供する業者の数も増え、これまで投資に興味がなかった人までもが、「おもしろそう」「儲けられそう」「簡単そう」と惹きつけられ、投資に参加することなりました。
広く一般に浸透したことから、2017年は「仮想通貨元年」とも表現されています。
ビットコインは2017年、たった1年で30倍も価値が上がった
投資に興味がなかった一般の人々が、次々と仮想通貨取引に参加し始めたのには理由がありました。
「億り人」と呼ばれる、1億以上も儲かった人がメディアで取り上げられ、「仮想通貨は儲かる」との認知度が上がるにつれて参加する人が増え、取引量がどんどん増えていきました。
その結果、2017年1月には「8万円台」だったビットコインが、2017年12月には「238万」まで上昇するという事態になったのです。
これは、例えば100万円の投資資金が、単純計算で約3000万円に増えたことになります。
「今始めなければ損」「簡単に儲けられる」と、誰もが思ってしまう状況であったと思います。2018年はさらにヒートアップするだろうと、12月中旬には報道されていました。
しかし2018年は一転して、売り込まれる展開が続いている
しかし、何事にもいつかは終わりが来るということなのでしょうか。
過熱するメディアの予想に反してビットコインは、2017年12月14日につけた1ビットコイン=238万円が天井となり、文字どおり「バブルが弾けた」ような値動きになってしまいました。2月5日には64万円まで下落してしまっています。
これは、実に73%の下落率というとんでもない値動きです。
出典:https://cc.minkabu.jp/pair/BTC_JPY
FXの通貨ペアでの考え方で慣れている読者の方々に向けて、この下落率を「ドル円」換算して解説してみると、2018年の最高値113.386円がわずか2か月で30.6円まで下がってしまったのと同じことになります。
113円がたった2か月で30.6円ですよ!「スワップポイントの解説をした他の記事」で話題にした、「情勢が不安定な国の通貨」どころの話ではありません。
この数字を見れば、いかにビットコインを始めとする仮想通貨が恐ろしい商品であること、FXの通貨ペアと同じように考えてはいけないことが、よくお分かりいただけると思います。
仮想通貨は、「取引所」ができたことでお金の価値が出てきた
ここで、「仮想通貨」について少し解説したいと思います。
仮想通貨は、どこの国の通貨でもなく国の規制もなく、価値を認めた人々の間でのみ取引されている通貨です。お店が独自に発行して利用者が貯めて商品と交換できるポイントと似ていると思います。
仮想通貨は、日本銀行のような通貨の発行元は存在せず、不特定多数の利用者によって発行される特殊な仕組みを持ちます。
「単なるポイントのようなもの」の存在では終わらずに、仮想通貨は「取引所」が扱うようになったことで、他の仮想通貨や国の通貨とも交換ができるようになり、一国の通貨と変わらないほどの価値が出始めました。
メディアがこぞって取り上げるため認知度も上がりました。テレビや新聞などのメディアは、リスクの解説はほとんどしないため、誰もが簡単に大きく儲けられる方法として急激に人気が出ています。
仮想通貨取引は「投資」ではなく「投機」や「ギャンブル」の性質が強い
日本国内でも、仮想通貨を支払いに使えるようなシステムを作ったり受け入れたりする企業はありますが、商品と引き換える「支払い」に利用することよりも、取引所での仮想通貨そのものの価値だけにフォーカスされた取引ばかりが注目を集め、人が群がっています。
短期間で急騰して大儲けした人がいるかと思えば、2014年3月の「マウントゴックス」取引所で115億円相当が消失した事件、2018年1月の「コインチェック」の不正流出問題など、巨額の被害が出るようなスキャンダラスなニュースもたびたび報道されています。
このこともあって、仮想通貨の価値はあり得ないほどの急騰や暴落を繰り返しています。
どこからも規制もコントロールもされていないことや、ゲーム感覚で始めた投資の知識も浅いギャンブラータイプの参加者が多く、しょっちゅうパニックになってしまうために起こっているボラティリティとも言えると思います。
投資で利益を得るためには、ある程度のボラティリティは必要であると言われますが、仮想通貨のような極端なボラティリティでは、安定した運用などできるはずがありません。
それでも取引に参加するとしたら、「投機」です。FXは「投資」でも、FXのバイナリーオプションは「ギャンブル」であるように、現状の仮想通貨取引は「ギャンブル」に近い性質であることになると思います。
XMが仮想通貨の取引停止の決定をしたのも、顧客に損失を負ってほしくないから
「投資」の本来の形は、長期間安定しつつ継続して利益を得られることであるべきです。
XMでのFX取引で利益を上げるための情報提供をしている当サイトでは、リスクが大きい仮想通貨の取引は、あまり推奨できないと考えています。
XMホームページでは、仮想通貨取引の環境を提供する案内はそのまま残っていますが、取引自体は停止のお知らせが掲げられており、理由のひとつに「お客様に損失が及ぶことを懸念しております。」とも書かれています。
XMのような顧客のことを第一に考えてくれている業者が、勧めるどころか積極的に止めているという状況は特殊であると言えます。
それでもギャンブルでもいいから一攫千金を狙いたい、仮想通貨取引をどうしても行いたいという方は、上記のビットコインの値動きと上記の事情をしっかりと受け止め、FXよりもはるかに高いリスクが伴う取引であることを理解したうえで行ってください。
XMで取り扱いがある仮想通貨一覧
現在は取引停止になっていますが、XMでの仮想通貨取引の情報を知りたいと調べている方は常にいらっしゃいますので、情報提供をしておきます。
XMで取り扱っている仮想通貨は、当初ビットコインだけでしたが、仮想通貨の人気が高まり顧客の需要が増えた頃2017年11月に、以下5種類に増えました。
せっかく増やしたところだったのに、すぐに取引停止になってしまったとは残念ですね。
XMのビットコインの取引時間とレバレッジ
XMで取引可能であったときの情報を提供します。取引再開となった際には、変更される可能性もありますのでご留意ください。
XMの仮想通貨はCFD扱い
XMでは、仮想通貨はCFDコモディティ商品の一部との扱いになっています。実際にビットコインを持つわけではなく値動きを推測するだけの取引であるため、ビットコインウォレットも必要ありません。
またCFD扱いのため、FXの57通貨ペアのトレードとは決まりが異なる部分があります。
FXと同じで土日は取引できない。平日は24時間取引可能
通常、ビットコインは土日も取引できることになっていますが、XMでは金曜日に閉場し月曜日に開場します。土日は取引できませんので注意が必要です。
レバレッジ888倍では取引できない(レバレッジ2倍まで)
またXMの仮想通貨取引では、レバレッジ888倍は利用できません。口座開設時に888倍を選んでいたとしても、仮想通貨取引のときにはこちらの必要証拠金の決まりが優先されます。例えば「50%」の証拠金が必要ということは、レバレッジは2倍です。
また、BIT/USDは最大取引量が「2.5ロットまで」となっています。サポートに申し出ればこれ以上のロット数の取引もできるのですが、証拠金は「100%」必要になり、そうなるとレバレッジは1倍ということになります。
必要証拠金は、XMでレートの事情などを鑑みながら決められており、過去には20パーセントや33パーセントだったこともあります。それに伴いレバレッジは変わるものですので、取引再開となった際には最新情報を確認することをお勧めします。
XMのビットコインや他の仮想通貨の証拠金を確認
XMホームページから引用した以下の表にあるとおり、仮想通貨取引の証拠金は、どの通貨ペアも「50%」です。
証拠金の計算式は?
必要証拠金を日本円で求める計算式は、以下のとおりです。
「仮想通貨ペアの現在レート×必要証拠金率50%×USDJPYのレート×ロット数」
例として、この計算式に当てはめて各通貨ペアの1ロットあたりの必要証拠金を計算してみました。参考にしてください。
XMでビットコインやその他の仮想通貨を取引する方法
XMで取引再開となるまでは実際のトレードはできませんが、仮想通貨のトレードを行うために現在でもできる事前準備について、説明をしておきましょう。
MT4ではなく、MT5でなければならない
取引プラットフォームは、MT4は利用できず「MT5」でなければなりませんのでご注意ください。MT5を利用するには、ログインするためのアカウントIDもMT5用のものが必要になりますので、取引口座を新しく追加で開設することになります。
また、これまでFXのトレードをMT5でしていた方も、仮想通貨取引用には口座を分けて管理した方が分かりやすくなるように思います。
MT5口座の開設方法
口座追加の手続きで、「取引プラットフォーム」に「MT5」を選択すればOKです。
ただし、選択項目については、FX取引と同じ考え方というわけにはいきませんので、少々注意が必要です。
(XMホームページにも説明がないので、XMとしてもあまり深く考えられていないのではないかという印象を受けました。現在は取引停止ということもあると思いますが)
XMのホームページでマイアカウントにログインし「追加口座を開設する」をクリックします。
申込画面の項目を入力します。
「取引プラットフォームタイプ」で「MT5」を選択してください。
「口座タイプ」は、スタンダードかXM Zeroの選択です。XMサポートに確認したところ、両口座のスプレッドは同じだそうです。ということは、1トレード毎の取引手数料がかからない「スタンダード口座」を選ぶのがよいですね。
「口座の基本通貨」は、他の口座をJPYで作っている場合はJPYでよいでしょう。
仮想通貨のペアは「BIT/USD」「DSH/USD」のようにUSDとだけになっているので、USDがよいのかとも思ったのですが、他の口座をJPYで管理していると口座間資金移動の際などに分かりづらくなりそうです。
また、USD建ての取引口座から出金すると、日本の銀行で口座に受け取る際に日本円に両替されることから、両替手数料がかかることになります。XMのUSD/JPYで換算されるよりほぼ確実によりよくないレートも適用されます。
などなども鑑みるとやはり、全口座を「JPY」で統一しておいたほうが無難ですね。
「レバレッジ」は「1:888倍」を選んでも、仮想通貨ペアのレバレッジが優先されます。先に説明したとおり、通常は2倍です。
「口座ボーナス」は、新規口座開設のときに選択した内容が優先されます。「受け取る」を選んでも入金ボーナスが新たにつくことはありませんのでご留意ください。
「パスワード」は、MT5にログインするときに使用します。
[リアル口座開設]のボタンをクリックします。以下の画面が表示されますので、Eメールを確認しましょう。
届いたメールで、ログインアカウント名とログイン先のサーバー情報を確認してください。
取引するプラットフォームには、この情報でログインしてチャートを表示させたり、実際に注文を入れたりすることになります。
MT5のダウンロード方法
基本的には、MT4をダウンロードしたときと同じです。
XMの公式サイトにアクセスし、トップページの「プラットフォーム」をクリックします。
以下のうち「MT5」の記載があるもので、仮想通貨のトレードができます。
ご利用の環境に合わせて選んでください。
XMの仮想通貨のスプレッドを確認
先にも書きましたがXMホームページには詳しい説明がないため、サポートに確認したところ、以下のスプレッドはスタンダード口座でもXM Zero口座でも差異はないそうです。
一番人気の高いビットコインは、FXの通貨ペアよりかなり広いスプレッドになっています。
「最低」で12point、その横の参考レートを元にすると「59point」です。実際に取引する際には注意が必要ですね。
これが国内業者のスプレッドだと、ビットコインでもこれほど広くはなっていません。
それで、業者の運営形態自体に問題があったりゼロカットシステムがないことなど、根本的な問題を無視してまで、仮想通貨取引に参加する人が後を絶たないわけですね。
XMの仮想通貨のスワップポイント
仮想通貨にも、FXの通貨ペアと同様に「スワップポイント」が発生します。
スワップポイントとは一般的に、ポジションを1日以上続けて保有した際に発生する、各通貨の金利差です。
といっても仮想通貨の金利はないため、「米ドルの金利」と何の差であるのかは不明です。
とにかく仮想通貨の場合は「買っても、売ってもマイナスになるのが特徴」ですので、「手数料の一部」ぐらいに考えておいてよいと思います。
スワップポイントで利益を得る目的の保有はできないことはもちろん、長く保有すればそれだけ多くの金額が引かれてしまうことになります。要注意です。
XMの仮想通貨で儲かった場合の税金
特にゲーム感覚で仮想通貨取引を始めた方には思いもよらないかもしれませんが、仮想通貨取引で儲かったら、税務署に申告をして所得税を支払う義務が発生します。
金額の目安は「儲かった金額が年間で20万円(他から全く収入がない方は38万円)を超えたかどうか」で、超えた場合は申告が必要です。ポジションを決済した分のみが申告の対象です。
会社で年末調整が済んでいる方も、2月16日から3月15日までの間に確定申告する必要があります。なお、仮想通貨取引の利益は、FXの利益と同じく「総合課税」です。
税率は、収入が高ければ税金も高くなる「累進課税」で、本業の所得金額や儲かった金額によって異なります。
例えば、本業の所得が400万円ある方と専業トレーダーでは、同じ儲け300万円だとしてもかかる所得税率は異なります。
実際の計算式はちょっと複雑ですので、詳しく説明した下記の記事をご覧ください。
参考記事: https://kaigaifx.jp/xm_zeikin/
仮想通貨は投機的な要素が強くボラティリティが激しい
仮想通貨取引自体がまだ歴史が浅いこともあり、市場は安定していません。業者が提供する環境も、参加者の動き方も安定していません。
コインチェック問題のときもそうでしたが、仮想通貨は、関連のニュースが出るとパニック売りが出やすい特徴があります。ちょっと下がったときに理由が分からず、理由が分からないことがまた相場にパニックを引き起こす、といったこともしょっちゅう起きています。
株取引やFX取引に精通している方が少し参加してみても、「なぜこんなに大きく動くのか理由が全く分からない」と言われていたりします。
チャート分析の常識が当てはまらないことも多くあります。これはギャンブルやゲームの要素が強い取引であるからと言えるでしょう。
XMのゼロカットシステムはここでもセーフティネットになる
海外業者にはほとんどあるのに日本の業者にはない「ゼロカットシステム」。このセーフティネットは、ボラティリティが激しい仮想通貨取引には特に、なくてはならないものであると思います。
この先の仮想通貨取引において、極端な値動きになった時には強制ロスカットが正しく執行されず、入金した口座の資金を超えて追証となり借金になってしまう可能性は、FX取引よりも確率が高いように思います。
国内業者を利用したのでは、ふいに多額の借金を背負うリスクもあることを認識するべきです。
ゼロカットシステムはビットコインにも適用されるのね。
資金管理には十分注意する必要がある
必要証拠金が高額でレバレッジが低い設定になっている理由は、不安定な相場であるからです。
FXの通貨ペアでも「レバレッジ50倍」で固定されている通貨ペアがありますよね。それらよりもずっと低い2倍のレバレッジということは、XMでそれほど危険を認識しているということになります。
取引再開となり、トレードに参加することになった際には、相場の暴騰や暴落がいくらでも起こりうることを常に意識し、資金管理には十分に注意する必要があります。
まとめ
巷ではまだまだブームの途中であるかのように見える仮想通貨取引、いつ参戦しようかとチャンスを狙っている方もかなり多いと思います。
しかしこの先もしばらくは「投資」対象ではなく、ゲーム性の強い「ギャンブル」に近い取引であることは変わらないようです。
なぜ危険なのかこの記事から少しでも伝われば幸いです。大切な資金を安易に失ってしまうことのないように、これからも十分ご注意ください。
なお、XMで取引が再開された際には、今回説明した内容からルールが変わる可能性もあります。仮想通貨取引については特に、常にXMホームページで最新情報を確認するようにすることをお勧めしておきます。